理事長ご挨拶      

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社会福祉法人全国盲ろう者協会
理事長 阪田 雅裕

 「盲ろう者」 という言葉を聞いたことがおありでしょうか。視覚・聴覚の両方を失い、多くの場合発声も困難なヘレン・ケラーのような人たちです。
 ヘレン・ケラーは、そのすさまじいハンディを克服して、世界の障害者に夢と希望を、そして健常者には感動を与えることができました。その陰には、彼女自身の努力と才能もさることながら、サリバン先生の献身的な支えがあったことは、よく知られています。
 サリバンは、ヘレン・ケラーの家庭教師として知られていますが、それ以上に優れた通訳者でした。盲ろう者は、自分自身では一片の情報を得ることもできません。暖かい日差しの中に咲く花を見ることも、小鳥のさえずりを聞くこともできないのです。目の見えなかった福島智氏が聴力を失ったときの状態を「深い海の底に居るよう」と表現しています。サリバン先生は、見えず聞こえないヘレン・ケラーの目、耳となって、この世の森羅万象を彼女に伝え続けました。
 日本にもヘレン・ケラーは大勢居ます。ですが残念なことにサリバン先生は少ないのです。現代の盲ろう者にはサリバン先生を独り占めするヘレン・ケラーのような贅沢は許されませんが、外界と接するには通訳・介助員の手を借りなければならないことは変わりがありません。
 全国盲ろう者協会は、日本のヘレン・ケラーたちのために、サリバン先生ともいうべき通訳・介助員の養成、派遣事業などを行うことを目的として設立されました。日本で唯一の盲ろう者福祉の担い手として、多くの盲ろう者が人間として生きることを支え続けてきたのです。
 全国盲ろう者協会の活動は、皆様のご支援があってこそ可能なのです。社会の高齢化などに伴い、盲ろう者は増え続けています。想像してみてください。いま自分が、自分の伴侶や父母が、盲ろうになったらと。通訳・介助員の支えがなければ、生きることすらおぼつかないでしょう。
 皆様のご理解とご協力が盲ろう者の命を救い、その社会参加を可能にします。ぜひサリバン先生をめざして下さい。そしてまた、一人でも多くの盲ろう者がサリバン先生の恩恵を受けられるように、協会へのご支援をお願いいたします。

(弁護士・元内閣法制局長官)